『月読み』
飯沢耕太郎/三月兎社/2018年/2750円
「月の満ち欠けは、人のライフサイクルに何らかの影響を及ぼすのではないか?」。飯沢耕太郎は、以前からそんな思いを抱いていました。ふとしたきっかけで、月をテーマにした無季の俳句を作り始め、その数が百を超えた頃に、今度は水彩で月のドローイングを描くようになります。
2018年秋に東京・銀座の巷房と築地のふげん社で開催されたドローイングの個展に合わせて、本書『月読み』が刊行されました。
ページがつながった経師本仕立てのA5判の判型の本の表裏に、113の句と14点のドローイングがおさめられています(デザイン=塚田佳奈)。
「では皆様の枕元に、今宵もまた月光の幽かな調べが届きますように。おやすみなさい......」。